余市マイウイスキーづくり(二日目)

本日ウイスキー作り2日目。今日の日程は樽詰めと貯蔵。

ウイスキーの製造工程
1.乾燥:ピートを燃やした煙で麦芽を乾燥させる。
2.粉砕:麦芽を粉砕する。
3.糖化:粉砕した麦芽を糖化させ麦汁をつくる。
4.醗酵:麦汁に酵母を加えて醗酵させる。
5.蒸留:直火焚き蒸留でアルコールを取り出す。
6.樽詰め:ウイスキーを樽に詰める。
7.貯蔵:樽に詰めたウイスキーを貯蔵し、熟成させる。

上記製造工程の6、7になります。朝9時よりスタート。
詰め
まずは樽についてのガイダンス。樽の材料はホワイトオークを使用するそうです。オークというと日本では一般にカシの木を想像しそうですが、ここではナラのことを指します。歴史的に見ると、初めはウイスキーを樽に詰めて熟成するということはしておらず、酒税がかかるのを嫌がった酒造たちが酒を隠すために樽に詰めたのが最初らしい。思わず隠したら意外といけてびっくり、本人達が一番驚いたことでしょう。ラッキー!とでも思ったかしら。
さて、実際に製樽工房を見学です。樽というのは一つ一つが手作りなので形や大きさが微妙に違う。とても個性的な面々がそろっているわけです。勘と経験がものを言うわけですね。すごい。
ウイスキーが入っていた樽を焼いて活性樽にする作業を見学。新樽を2度使い焼くと活性樽になります。今回自分達が詰める樽は新樽なので直接は関係ないですが、見せて頂けることに。
ウイスキーを抜いたばかりの樽。ウイスキー臭がすごい。

樽の中を焼いているところ。

もちろん鏡(樽のフタの部分)も焼きます。

火力がすごいことに。

すごい火力で樽内部が燃えているのですが、大丈夫なんでしょうか・・・(-_-;;)
焼き終わった樽。

あんなに焼いていたのに、実際燃えたのはほんのちょっと。意外です。
左:焼いた後(鏡がしてあります)
右:焼く前

焼いた後では匂いがとても香ばしくていい感じ。焼く前の強い匂いから厚みのある匂いに変化していました。
焼いた後の樽を閉じる前にもうひと仕事。樽の鏡の付近にガマを挟む作業です。樽にウイスキーを詰めると木が膨張し漏れないのですが、鏡の付近はウイスキーが常にあるわけではなく膨張しないのだそうです。なので、スポンジのような素材を持つガマを挟み、漏れを防ぐというわけ。
くさびを入れて隙間にガマを入れる。

実際に体験。

がまというと私は因幡の白兎を連想するのですが、あれはガマの穂だった覚えがあります。今回は穂ではなく下の部分を使っています。作業場の天井にはガマが干してありました。
ガマ干し。

ちなみにガマの穂の写真はこれ。
wikiから転用。)

すべての隙間にガマを挟みます。

先ほども樽は個性的だと書きましたが、樽によって大きさが微妙に違うため、鏡もそれぞれの樽に合わせて作らなければならないそうです。いちいち測ってきちんと合う鏡を作るなんて大変な作業だけど、ちょっとでも隙間があったらせっかくのウイスキーが漏れてしまうわけだし、大事な工程なんですよね。
鏡を作るのに直径をきちんと計測。

最後に側面にある板(側板)がバラバラにならないように鉄のわっか(帯鉄)で補強。ある程度は人の手で金槌を使ってはめるのだが、最後は機械を使って固定します。昔は大きな大きな金槌を使って人の手で行っていたそうです。
最後は機械で。

こうして樽が完成していくわけですが、完成した樽に水を入れて漏れないかを確認しないと一人前の樽にはならないみたいです。漏れたら困りますもんね。開けたらウイスキーが残ってないとか笑えない・・・。

さて、製樽の工程を理解したところで、いよいよ樽詰めです。
樽の中にできたばかりの原酒を注入。・・・の前にみんなで樽にサインです。
この上にサイン。

ちゃんと私もサイン。

樽に詰める前にひとまず原酒を試飲。カッ!と一口飲んだだけで胸が熱くな・・・(゚◇゚;)うはっ。ちなみにAlc.65%だそうです。冬山で飲みたくなる気持ちを理解しました。
原酒が入ったタンク。

試飲後早速、ダボ穴(樽の中身を出し入れする穴)に漏斗で原酒を注入。
結構な勢い。

樽に詰めたらちゃんと栓をして(漏れたらもったいない!!)貯蔵庫へ持っていきます。機械で運ぶことも可能ですが、あえてみんなで手で転がしていきます。右へ左へとまっすぐにいかず、これが意外と難しい。まるで運動会の競技に参加しているよう。
200mを手で転がして貯蔵庫へ。

樽が壊れることもなく、無事貯蔵庫へ。貯蔵庫にもしめ縄がしてあって、ここにも竹鶴の愛を感じます。
無事貯蔵。

ちなみにこの樽(中身入り)を個人で購入すると、1つ200万するそうです。かなりの量ですけど、金額もすごかった。母もがっくりですw。
この後終了式とお昼を食べて解散。終了の証として余市工場のキーホルダーと原酒ボトル、ウイスキーグラスをもらいました。キーホルダーには自分の名前と日付、樽の番号が記載されていて、余市の工場に遊びに来たときに詰めた日付と樽番号を言えば貯蔵しているところを見せてもらえるそうです。もちろん飲めはしませんがw。
今回のマイウイスキーづくりはニッカのHPから見ることができます。定員は20名で、かなりの応募数があるらしく当たるのが難しいとのこと。お酒が大好きな人にはたまらない企画、興味があればどうぞ一度参加してみてくださいね。私もまた行きたいなと思います。

ニッカHP
NIKKA WHISKY
ニッカワールド→ウイスキーづくり体験