余市マイウイスキーづくり(一日目)1

北海道の余市で、ウイスキーづくりを体験してきました。ウイスキーの製造工程を見学・体験して自分たちのウイスキーを樽に詰め、10年後に熟成されたウイスキーが届くというもの。酒豪の母とウイスキーがまだ苦手な私と2人での参加。2日間の日程で第一日目はお昼からのスタートです。
まずは作業着に着替えて、ちょっとした講義の時間。ニッカの簡単は歴史とウイスキーの製造工程についての説明を受けます。ちなみに作業着はこんな感じ。緑のつなぎでなかなか可愛い。背中にニッカのおじさん(ローリー卿という名前だそうです。)がプリントされています。

講義の後は実際に製造工程の見学・体験。

ウイスキーの製造工程
1.乾燥:ピートを燃やした煙で麦芽を乾燥させる。
2.粉砕:麦芽を粉砕する。
3.糖化:粉砕した麦芽を糖化させ麦汁をつくる。
4.醗酵:麦汁に酵母を加えて醗酵させる。
5.蒸留:直火焚き蒸留でアルコールを取り出す。
6.樽詰め:ウイスキーを樽に詰める。
7.貯蔵:樽に詰めたウイスキーを貯蔵し、熟成させる。

本日第一日目は上記製造工程の5.蒸留までを見学・体験する予定。
■1.
工場内の第一乾燥棟に移動。ここではピートを燃やした煙で麦芽を乾燥させ、さらにピートの香りづけもしているそうです。一般の見学であれば行くことのできない奥の場所、実際のピートを燃やしている釜やその上に保管されている麦芽を見ることができました。(ピート:ヨシ・スゲなどの水辺植物が堆積して炭化したもの、草炭)
ピートを焚いている釜。

釜のちょうど真上の階。釜の煙で麦芽を乾燥させている。

乾燥棟に近づくだけでもわかる煙の匂い。入るとかなりの煙の量です。その量にしては目がツンとしないのは、ピートの煙は他の煙に比べて優しいのだとか。あまりの煙の匂いに、置いてある麦芽の匂いを嗅いでも本当に香りがついているのかわからない。そこで家にちょっとだけ持って帰ってきたので再度匂いを嗅いでみる。

・・・おお。少しですが、確かにピートの煙の匂いがします。すごいすごい。
■2.
ピートの香りで自分達も燻されながら、次は麦芽を粉砕する場所へ。乾燥させた麦芽を粉にします。
50年以上も稼動している粉砕機(左隅)と粉の入ったタンク。

機械の周りや機械自身にも麦芽の粉がついています。写真の白っぽく見えるのは全て粉。室内もなんだかお米の匂いがしました。
■3.
麦芽に含まれる酵素を働かせてでんぷんを甘い麦汁に変える工程。
糖化釜。

釜の内部。


内部の写真は暗くて見づらいですね・・・。釜の底にぐるぐると回転する細長い機械が横に水平についていて、それで麦汁をかき回している感じです。言葉にいい表せないので絵に描いてみました。ひどい絵ですがこんな感じ。
■4.醗
麦汁に酵母を加えて糖をアルコールに変える工程。

醗酵タンク。なんと40,000Lも入っている。

タンクを上からのぞくと醗酵初めのものは勢いがあり、時間が経ったものは泡だらけで流れがなく安定していた。
醗酵タンクの上の部分。

醗酵タンクの内部を覗く窓。泡だらけ。

醗酵で炭酸ガスが生成されるため、ポンポン音が鳴り響いていました。まるで生れる前の赤ちゃんがお腹を蹴っているようですw。元気なお酒ができるといいなぁ。
さて、ここでちょっとした試飲。なんと醗酵前の麦汁と醗酵後のもろみを試飲。そもそも飲めちゃうんだ・・・と驚く私。
左:麦汁 右:もろみ(約Alc.7%)

麦汁は甘ったるい。べっこう飴を溶かして水で割ったみたいな味でした。もろみはすごい長い時間放置されたビールのような味。両方とも不味い・・・。特にもろみ。がしかし、美容と健康にいいらしいと聞いてがんばって飲み干しました。(がんばりどころはそこではないと思うが。)
■5.
醗酵液を熱して香味成分やアルコールを取り出す工程。温度を約100℃に保つよう、8時間石炭で直火焚き。
石炭釜。

煌々と石炭が燃えている。熱い!

蒸留釜。
手前3つが稼働中。奥1つが再蒸留に使用(写真では切れているけど本当は奥にもう一つあるので再蒸留釜は2つある。)。その間にある小さな釜は創業当時使っていた1号釜だそうです。

それぞれの蒸留釜にしめ縄がついていて、竹鶴の想いが伝わってくるようです。
ここでは実際に石炭をくべる作業を体験。スコップを使って石炭を釜に投入します。難しかったー!ちなみに私、石炭釜をあまり見たことがなく、さらに石炭が煌々と燃えている姿なんて初めてお目にかかりました。あんなにも石炭って赤々と燃えるものなんですね。びっくりです。焼肉とかバーベキューでの炭火はもっと細々としているのに・・・。石炭のイメージが変わりました。ヽ(@_@;)ノ