サガン−悲しみよ、こんにちは−


わずか18歳で書いた本『悲しみよ こんにちは』が世界的大ベストセラーとなり、有り余る財産と名声を手に入れた女性、フランソワーズ・サガン。彼女の半生を描いた作品。
恥ずかしながら今までサガンという女性も、彼女の著作も読んだことがありませんでした・・・。著作はいつか読んでみようと思いますが、彼女の半生、かなり衝撃的に描かれています。彼女自身の性格や価値観からくる生活や苦難もかなりあるとは思いますが、天才と呼ばれた小説家を含む芸術家というのは、やはり生きることそのものが大変なのだと感じます。サガンを見てすぐに思いつく日本作家といえば太宰。同じ人生を歩んだわけではないけれど、人が当たり前の生活を送るところを送ることのできない、なんというか、通常の人よりも何倍も何十倍も、下手したら何百倍も繊細に受け止めているのではないかと思うのです。同じ景色を見ていても、普通なら3つくらいしか気付かないところを、彼らは10も20も見つけてしまう。良いこともあるだろう。でも悪いことも同様にあるだろう。ある意味ひとつひとつを丁寧に受け取ってしまう彼らは、人と同じ生活をすること自体無理があるの様に思う。
サガン役を演じたシルヴィ・テステュー。18歳のサガンから69歳の亡くなるまでを一人で演じきっているわけだが、これが考えるとすごい。もちろんメイクや服装など外見を変えているせいもあるが、それにしても一人で演じきることというのは並大抵ではないと思う。彼女はサガンの話し方や癖をとらえて見事演じている。本物のサガンを見たことがない私は、サガンといえば彼女の演じたサガンをこれからも思い出すことだろう。

サガン』公式HP
http://www.sagan-movie.com/