【movie】蟹工船

映画『蟹工船』プレミア上映会に行ってきました。

上映前にSABU監督のトークがありました。印象は…放送関係のスタッフっぽい。や、監督ってその中に入るのかもしれないけど。なんていうか、監督というよりは放送作家とか若手のディレクターっぽい?なんなんだろう。トークも別に上手ってわけじゃないし、気取ってるわけじゃないし、とてもよい印象なんだけど…とりあえず監督っぽくない監督さんでした。全然伝わらないですね、これじゃ…w
内容は小林多喜二の同名小説を映画化したもの。恥ずかしながら「蟹工船」を読んだことがないので、原作の内容はわかりません。でも結局労働者側と経営者側の立場は何も変わらないので、読んだ後なんだか悲しくなると知人が言っていました。その点、今回の映画では最後に希望を持って見終えるようになっています。
人間社会の底辺に存在する労働者たちが働く蟹工船での話。労働者と、その労働者を取り仕切る監督陣との対立を描いた作品。働くこと、命令されること、我慢することに慣れてしまい未来に希望を持てない労働者たちが、自分たちの人生のために立ち上がり自分たちの立場の改善を求め革命を起こす。がしかし、代表者が殺されることであっけなく革命は終了し、また過酷な労働の毎日が始まる。一見何事もなかったように時は過ぎていく…が、彼らの心には今までとは違う「何か」が生まれだしていた…。
美術がそうなのか、俳優たちがそうなのかわからないけど、とても舞台っぽかった。現実味がないせいかしら?服装とか俳優のしゃべり方とかが現実的ではないというか。でも、監督の話だと時代設定を特定せずにSFっぽい要素も取り入れたと言っていたので仕様なのでしょう。
蟹工船」という小説がベストセラーになり映画化されるというのは、なんだか少し悲しい気がします。この話が受け入れられてしまうというのは「蟹工船」と同じように、人間の格差が広がりつつあるのでしょうか。でももっと悲しいのは、再販され、マスコミに取り上げられるだけでこんなにもベストセラーになってしまう"流れ"でしょうか。別につい最近名作になったわけではなく昔から名作だったものなんです。それがみんなが読んでいる・注目されている、というだけでみんながこぞって買いに行くことになんだか悲しさを覚えます。ただのあまのじゃくな意見かもしれないけれどね。
ちなみに常に船の上での撮影だからなのでしょうか、画面が常に揺れていました。ちょっと船酔い気味になりそうでした。
http://kanikosen.jp/pc/