ミラノの風とシニョリーナ/坂東真砂子

ホラー作家として確立している彼女の初めて書いた作品。私は知らなかったのですが、彼女は最初は童話作家としてデビューしてるんですね。その貴重な一作が今作品でしょう。
彼女は大学時代に住居学を専攻していたようで、インテリアのことをもっと知るべく単身イタリアに行ったようなのですが、そのときの体験が描かれている作品です。あまりにも無謀な計画と彼女自身の性格でイタリアでの生活を過ごすわけですが、決して楽しいことばかりではなく腹の立つことや悲しいことが描かれていて面白い。児童文学なので文字も大きく漢字にはルビがふってあります。児島なおみさんの挿絵もまた可愛くて、私はなかなか楽しめました。
ホラー作家である坂東真砂子の違う一面が見えたようで面白い。また、ホラーな内容とそうでない場合に、著者紹介の内容もまた違う印象を受ける。なんだか不思議な感じです。同じ本人なのに(笑)。